こんにちは、七宮さん(@shichinomiya_s)です。
今回の記事では、新しく公開した Chrome 拡張「物件ハザードチェッカー」を紹介します。SUUMO・LIFULL HOME’S・at home など主要な不動産サイト24サイトの物件ページを開くだけで、各物件のハザード情報を自動でバッジ表示する基本無料のツールです(非公式)。
- 洪水・内水・高潮・津波・土砂・活断層の該当を自動判定
- 標高・表層地盤・液状化(推定)もまとめてバッジ表示
- 判定はすべて国土地理院・防災科研の公開データ。アカウント登録不要
物件探しのたびに「この立地、ハザードマップ的に大丈夫?」と住所をコピペして地点検索するのが面倒で仕方なかったので、物件ページに居ながら全部その場で出す拡張を自作しました。最初は自分の引っ越し用でしたが、家を探している知人に「これ普通に欲しい」と言われたので、対応サイトを増やして公開した次第です。
物件一覧を開くだけで全物件にバッジが付き、「詳細 ↗」で浸水深や家屋倒壊リスクまで深掘りでき、★お気に入り+比較ビューで横並び比較も可能です。賃貸・購入・投資を問わず、内見や申込前のひと手間としてどうぞ。
そもそも物件探しで「ハザード確認」はなぜ面倒なのか
家を借りる・買うときにハザードマップを確認したほうがいいのは皆わかっているのですが、いざやろうとすると地味に手間がかかります。
- 住所をいちいちコピペする必要がある — 物件ページ → 重ねるハザードマップ → 住所貼り付け → 地点検索、を物件ごとに繰り返す
- 見るべきレイヤーが多い — 洪水だけでなく内水・高潮・津波・土砂…と切り替えていくと、1物件で何度もクリックすることに
- 標高や地盤は別サイト — 標高は国土地理院、表層地盤・液状化は防災科研 J-SHIS と、見る場所がバラバラ

一覧で10件も見比べようものなら、それだけで心が折れます。「気になった物件だけ後で調べよう」と思って、結局調べないまま申し込んでしまう…というのが実際のところではないでしょうか。
そこで、対応サイトの物件ページを開いた瞬間に、各物件のハザード情報がその場でバッジ表示されるようにしたのがこの拡張です。
物件ハザードチェッカーでできること
対応サイトの物件ページ(一覧・詳細どちらも)を開くと、各物件に自動でハザードバッジが表示されます。何も操作する必要はありません。
一覧・詳細ページにハザードバッジを自動表示
物件カードのそばに、洪水・内水・高潮・津波(浸水深ランク)、土砂(土石流/急傾斜/地すべり)、活断層の近接、📏標高、🌍表層地盤、🪨液状化(推定) のバッジがコンパクトに並びます。一覧をスクロールするだけで、「この物件は浸水想定あり」「ここは標高高めで地盤も良さそう」といった当たりがその場で付きます。
「詳細 ↗」で浸水深・家屋倒壊リスクまで深掘り
バッジの「詳細 ↗」を押すと、詳細ポップアップが開きます。一覧では出していない浸水継続時間や家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流/河岸侵食)まで判定が見られるほか、凡例や、重ねるハザードマップ/浸水ナビ/J-SHIS Map/自治体の液状化予測図への関連リンクも用意しています。「バッジで気になった物件だけ、原典でしっかり確認する」という流れがスムーズです。
★お気に入り&比較ビュー
詳細ポップアップから、物件ごとに自由メモと★お気に入りを保存できます。お気に入りに入れた物件は、拡張アイコンの「★比較を開く」から横並びのテーブルで一括比較でき、そのまま CSV エクスポート(Excel 互換)も可能です。複数物件を比較検討するときに、ハザード条件まで含めて一覧化できます。
表示項目はあとから自由に調整
「液状化の推定は要らない」「標高だけ見たい」といった好みに合わせて、設定画面から判定対象レイヤを11種類それぞれ ON / OFF できます。標高・表層地盤・液状化推定の表示切り替えや、キャッシュのクリアもここから行えます。
表示できるハザード・地盤情報(すべて公開データ)
この拡張が判定・表示するのは以下の項目です。すべて国土地理院・防災科学技術研究所 J-SHIS が公開しているデータをもとにしています。
| 項目 | 提供元 |
|---|---|
| 洪水(想定最大規模・浸水深ランク) | 国土地理院 |
| 内水/高潮/津波(浸水深ランク) | 国土地理院 |
| 浸水継続時間 | 国土地理院 |
| 家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流・河岸侵食) | 国土地理院 |
| 土砂災害(土石流・急傾斜・地すべり) | 国土地理院 |
| 活断層図(都市圏活断層図) | 国土地理院 |
| 標高(海抜) | 国土地理院 |
| 表層地盤(微地形分類) | 防災科研 J-SHIS |
| 液状化(推定) | 微地形分類からの推定(本拡張) |
送信される住所は国土地理院のジオコーディングのみに使われ、地点の緯度経度から各データを問い合わせる仕組みです。バックエンド不要・APIキー不要・アカウント登録不要。取得した結果は端末内にキャッシュして、公開APIへの負荷も抑えています。
液状化は全国統一のタイル配信が無いため、表層地盤(J-SHIS)の微地形分類からの推定です。自治体公表の液状化予測図とは異なる場合があるので、最終確認は各自治体のマップでお願いします。
対応している不動産サイト(24サイト)
賃貸・売買・投資の主要サイトに対応しています。
| 区分 | サイト |
|---|---|
| 賃貸ポータル | SUUMO / LIFULL HOME’S / CHINTAI / Yahoo!不動産 / at home / goo住宅・不動産 / ニフティ不動産 / スマイティ / DOOR賃貸 |
| 賃貸チェーン等 | エイブル / アパマンショップ / ミニミニ / ピタットハウス / レオパレス21 / ホームメイト / いい部屋ネット(大東建託)/ UR賃貸住宅 / ハトマークサイト / 不動産ジャパン |
| 売買 | ノムコム / 三井のリハウス / マンションレビュー |
| 投資 | 健美家 / 楽待 |
SUUMO は実際のページ構造に合わせて専用に作り込み、その他のサイトは「所在地」「住所」といったラベルや、都道府県名で始まる住所表記を手がかりに住所を読み取っています。一部のサイト(ホームメイト・ハトマークサイトなど)は一覧に住所が無いため、詳細ページでバッジ表示になります。
使い方(インストールして開くだけ)
- Chrome ウェブストアで「物件ハザードチェッカー」を追加します
- 対応サイト(SUUMO など)の物件一覧/詳細ページを開きます
- 各物件に自動でハザードバッジが表示されます
特別な設定は不要で、入れて物件ページを開けばすぐ動きます。まずは対応サイトの物件一覧を開いて、各物件にバッジが並ぶのを試してみてください。
こんな人におすすめ
- 賃貸を探している人 — 一覧をスクロールするだけで、各物件の浸水・土砂リスクの当たりが付きます。内見の前のスクリーニングに。
- マイホーム・マンションを購入検討中の人 — 長く住む家だからこそ、標高・地盤・液状化(推定)まで含めて、申込前に横並び比較できます。
- 不動産投資をしている人 — 比較ビュー+CSVエクスポートで、候補物件のハザード条件をまとめて管理できます。
仕組み(すこし技術寄りの話)
ざっくり書くと、物件ページ側で住所を抜き出し、拡張のバックグラウンド(service worker)が国土地理院のハザードタイル画像の画素色から該当/浸水深ランクを判定し、標高・地盤は J-SHIS などに問い合わせています。近い物件は同じ地図タイルを共有するので、タイル画像と判定結果をキャッシュすることで、公開APIへのアクセス回数を大きく減らしています。クラス名が頻繁に変わる不動産サイトでも壊れにくいよう、「所在地ラベル」「都道府県始まり」といった構造的に安定した手がかりを狙って住所を抽出しているのがちょっとした工夫です。
注意点・既知の限界
便利な反面、データの性質上の限界もあるので正直に書いておきます。
- 代表点1点での判定 — 住所の代表点1点で判定するため、敷地全体や谷筋など局所的な危険箇所からずれることがあります。重要な判断は必ず重ねるハザードマップなどの原典でご確認ください。
- ジオコーディング精度 — 特に賃貸一覧ページは住所が町丁目止まりで配信されることが多く、判定が町丁目精度になりがちです(詳細ページのほうが精度が上がることがあります)。
- データ未整備地域 — 内水・浸水継続時間など、自治体が未公開の区域は「区域外」表示になります。
- 液状化(推定) — 前述のとおり推定値で、自治体の予測図とは異なる場合があります。
- 非公式 — 本拡張は非公式であり、各不動産サイトの運営会社とは一切関係ありません。サイト名・「SUUMO」等は各社の登録商標です。
よくある質問
Q. 無料で使えますか?
はい。無料で使い始められます。アカウント登録やログインも不要で、インストールして物件ページを開くだけで動きます。
Q. 入力した住所などのデータは外部に送信されますか?
判定に使うのは、表示中の物件ページから読み取った住所だけです。その住所は国土地理院のジオコーディング(住所→緯度経度)に使われ、あとは緯度経度をもとに国土地理院・J-SHIS の公開データへ問い合わせます。独自のバックエンドやアカウントは持たず、結果は端末内にキャッシュされます。
Q. SUUMO以外にも対応していますか?
はい。賃貸・売買・投資あわせて24サイトに対応しています(本文の対応サイト一覧を参照)。
Q. スマホでも使えますか?
PC版のChrome拡張機能です。スマホ版Chromeでは拡張機能が動かないため、PC(デスクトップ)でご利用ください。
Q. バッジが出ない/判定が出ないことがあります
データ未整備地域は「区域外」と表示されます。また、不動産サイト側のページ構造が変わると住所の読み取りが一時的に外れることがあります。その場合は対応を追って修正していきます。
今後の予定
すでに公開して動いていますが、まだやりたいことはたくさんあります。
- 対応サイトの拡充 — 要望の多いサイトから順次追加
- 公開APIへの負荷対策の強化 — バックエンドプロキシ経由のデータ取得(オプションで切替)
- 自治体マップとの連携強化 — 液状化予測図など、原典への導線をさらに分かりやすく
「このサイトにも対応してほしい」「こういう項目も見たい」というリクエストは大歓迎です。Twitter(七宮さん(@shichinomiya_s))か、本記事のコメント欄からお気軽にどうぞ。
まとめ
不動産サイトの物件ページに、ハザード・地盤・標高情報をその場でバッジ表示する Chrome 拡張「物件ハザードチェッカー」を公開しました。
- 物件一覧・詳細を開くだけで、各物件に洪水・津波・土砂・標高・地盤・液状化(推定)のバッジが自動表示
- 「詳細 ↗」で浸水深・家屋倒壊リスクまで深掘り、原典への関連リンクも
- ★お気に入り+比較ビューで気になる物件を横並び比較、CSVエクスポートも可能
- 判定はすべて国土地理院・防災科研 J-SHIS の公開データ。バックエンド不要・アカウント不要
- 賃貸・売買・投資あわせて24サイトに対応
- 無料で使い始められて、アカウント登録も不要
賃貸を探している人、マイホームを検討している人、不動産投資をしている人、誰でも歓迎です。内見や申込の前のひと手間として、ぜひ一度使ってみてください。








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