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【検証】M1 Pro / M1 MaxでローカルLLMベンチマーク!MLX vs Ollama、Qwen 2.5〜3.5を徹底比較

2026年4月9日 · Shichinomiya
【検証】M1 Pro / M1 MaxでローカルLLMベンチマーク!MLX vs Ollama、Qwen 2.5〜3.5を徹底比較

こんにちは、七宮さん(@shichinomiya_s)です。

前回の記事ではGTX 1080TiでQwen 3.5がどこまで動くか検証しましたが、今回はApple Silicon(M1 Pro 32GB / M1 Max 64GB)で最新ローカルLLMをガッツリベンチマークしてみました。

Qwen 2.5からQwen 3.5まで、7B〜32Bの全12構成をOllamaとMLX-LMの2つのランタイムで比較。「Apple Siliconでローカル生成AIってどうなの?」という疑問に、数字で答えます。

結論から言うと、MLX-LMが圧倒的に速い。そしてユニファイドメモリの恩恵で、GTX 1080Tiでは動かせない大型モデルも余裕で動きます。

Table of Contents

Toggle
  • なぜApple SiliconでローカルLLMなのか
  • テスト環境
  • テストしたモデル
  • MLX vs Ollama — Apple SiliconではMLXが圧勝
    • M1 Pro(32GB)での比較
    • M1 Max(64GB)での比較
  • 全モデル速度一覧 — M1 Pro vs M1 Max
  • M1 Pro(32GB)のベンチマーク詳細
    • Qwen 3.5 9B — MLX 4bit(推奨構成)
    • Qwen 2.5 7B — MLX 4bit(最速構成)
  • M1 Max(64GB)のベンチマーク詳細
    • Qwen 3.5 9B — MLX 4bit(最速+高品質)
    • Qwen 2.5 7B — MLX 4bit(爆速構成)
    • M1 Max限定 — 大型モデルの世界
  • 量子化比較 — 4bit vs 8bit
    • M1 Pro(32GB)
    • M1 Max(64GB)
  • GTX 1080Ti vs M1 Pro vs M1 Max — 三つ巴比較
  • メモリ使用量まとめ
    • M1 Pro(32GB)
    • M1 Max(64GB)
  • TTFT(最初のトークンまでの時間)
  • 実用性の評価 — 用途別おすすめ構成
  • まとめ
  • AI開発・ローカルLLM向けのおすすめMac
  • あわせて読みたい

なぜApple SiliconでローカルLLMなのか

Apple Silicon MacはGPUとCPUが同じメモリ(ユニファイドメモリ)を共有しています。これがローカルLLMにとって大きなメリットになります。

  • メモリの壁がない — dGPUのようなVRAM制限がなく、搭載メモリ全体をモデルに使える
  • MLX-LMが最適化済み — Apple純正のMLXフレームワークがMetal GPUをフル活用
  • 静音・省電力 — ファンレスor静音で24時間稼働にも向いている

M1 Proは32GBで27Bモデルまで、M1 Maxは64GBで32Bモデルまで動かせます。GTX 1080Tiの11GB VRAMでは9Bが限界だったことを考えると、圧倒的な柔軟性です。

テスト環境

項目マシン1(M1 Pro)マシン2(M1 Max)
チップApple M1 Pro(10コアCPU / 16コアGPU)Apple M1 Max(10コアCPU / 32コアGPU)
メモリ32GB ユニファイドメモリ64GB ユニファイドメモリ
メモリ帯域200GB/s400GB/s
OSmacOS(Darwin 25.4.0)
Ollamav0.20.2
MLX-LMv0.31.1

メモリ帯域が2倍というのがM1 MaxとM1 Proの最大の違いです。LLMの推論速度はメモリ帯域にほぼ比例するため、理論上M1 Maxは2倍近い速度が出るはず。実際にそうなるのか、検証していきます。

Apple Silicon Macは中古市場でも手に入りやすく、ローカルAI用途としてコスパが良い選択肢です。

テストしたモデル

今回テストしたのは以下のモデルです。Qwen 2.5、Qwen 3、Qwen 3.5の3世代を比較しました。

モデルパラメータ特徴M1 ProM1 Max
Qwen 2.5 7B7BThinkingなし、高速○○
Qwen 3 8B8BThinking搭載○○
Qwen 3 14B14BThinking搭載○○
Qwen 3 32B32BThinking搭載×(メモリ不足)○
Qwen 3.5 9B9B最新世代+Thinking○○
Qwen 3.5 27B27B最新世代+Thinking○○

各モデルについて、日本語(短文・長文・要約)、コード(簡単・中程度・バグ修正)、翻訳(日英・英日)、推論(論理・数学)の10タスクでベンチマークを実施しています。

ollama pull qwen3.5:9b
pip install mlx-lm
python -m mlx_lm.generate --model mlx-community/Qwen3.5-9B-MLX-4bit --prompt "hello"

MLX vs Ollama — Apple SiliconではMLXが圧勝

今回の最大の発見がこれです。同じモデル・同じ量子化でも、MLX-LMはOllamaの1.5〜2.3倍速い。

M1 Pro(32GB)での比較

モデルOllama (tok/s)MLX 4bit (tok/s)MLX優位率
Qwen 2.5 7B27.841.1+48%
Qwen 3 8B22.633.5+48%
Qwen 3.5 9B14.229.7+109%
Qwen 3.5 27B4.610.6+130%

M1 Max(64GB)での比較

モデルOllama (tok/s)MLX 4bit (tok/s)MLX優位率
Qwen 2.5 7B51.274.6+46%
Qwen 3 8B42.860.7+42%
Qwen 3.5 9B25.156.9+127%
Qwen 3.5 27B8.418.7+123%

特にQwen 3.5系ではMLXの優位が顕著で、2倍以上の速度差が出ています。これはQwen 3.5のThinkingモードでOllamaが内部推論トークンをストリーム出力する際のオーバーヘッドが大きいためです。

Apple SiliconでローカルLLMを動かすなら、MLX-LM一択です。Ollamaは手軽さが魅力ですが、速度を重視するならMLXを使いましょう。

全モデル速度一覧 — M1 Pro vs M1 Max

全モデルの平均生成速度をまとめました。M1 MaxはM1 Proの約1.8倍の速度が出ており、メモリ帯域の差がそのまま性能差になっています。

モデルランタイム量子化M1 Pro (tok/s)M1 Max (tok/s)倍率
Qwen 2.5 7BOllamaQ4_K_M27.851.21.84x
Qwen 2.5 7BMLX4bit41.174.61.82x
Qwen 2.5 7BMLX8bit22.542.41.88x
Qwen 3 8BOllamaQ4_K_M22.642.81.89x
Qwen 3 8BMLX4bit33.560.71.81x
Qwen 3 14BOllamaQ4_K_M12.724.21.91x
Qwen 3 14BMLX4bit19.434.91.80x
Qwen 3 32BOllamaQ4_K_M—10.9—
Qwen 3 32BMLX4bit—15.6—
Qwen 3.5 9BOllamaQ4_K_M14.225.11.77x
Qwen 3.5 9BMLX4bit29.756.91.92x
Qwen 3.5 9BMLX8bit19.736.31.84x
Qwen 3.5 27BOllamaQ4_K_M4.68.41.83x
Qwen 3.5 27BMLX4bit10.618.71.76x
Qwen 3.5 27BMLX8bit—11.4—

M1 MaxのGPUコア数は32コアでM1 Pro(16コア)の2倍ですが、速度差は約1.8倍。メモリ帯域(400GB/s vs 200GB/s)がボトルネックになるLLM推論では、ほぼ帯域比に比例した結果になっています。

M1 Pro(32GB)のベンチマーク詳細

M1 Proで最もバランスが良いのはQwen 3.5 9B(MLX 4bit)です。平均29.7 tok/sで、日本語品質も高い。詳細な結果を見ていきましょう。

Qwen 3.5 9B — MLX 4bit(推奨構成)

テスト内容生成速度生成トークン数所要時間
日本語 短文回答32.4 tok/s8,192253秒
日本語 長文生成32.4 tok/s8,192253秒
コード 簡単な関数34.1 tok/s62919秒
コード 中程度の関数34.0 tok/s1,18635秒
コード バグ修正29.7 tok/s8,1921,178秒
翻訳 日→英16.2 tok/s8,1922,335秒
翻訳 英→日21.5 tok/s8,1921,758秒
推論 論理パズル33.9 tok/s72223秒
推論 数学30.2 tok/s2,23275秒

コードや推論タスクでは30 tok/s超で快適。ただし、翻訳タスクではThinkingモードが暴走してmax_tokens(8,192)に到達するケースが頻発します。Qwen 3.5のThinkingモードは強力ですが、出力トークンが爆発的に増える傾向があります。

Qwen 2.5 7B — MLX 4bit(最速構成)

テスト内容生成速度生成トークン数所要時間
日本語 短文回答42.3 tok/s561.7秒
日本語 長文生成39.7 tok/s762919秒
コード 簡単な関数41.0 tok/s3368.6秒
コード 中程度の関数40.7 tok/s61815.6秒
翻訳 日→英41.8 tok/s1363.8秒
翻訳 英→日41.8 tok/s1303.6秒
推論 論理パズル41.3 tok/s952.8秒
推論 数学41.3 tok/s2676.9秒

Qwen 2.5はThinkingモードがないため出力が簡潔で高速。「すぐ答えが欲しい」用途に最適です。M1 Proでも41 tok/s出るのは驚異的。

M1 Max(64GB)のベンチマーク詳細

M1 Maxの真骨頂は速度と大型モデルの動作です。Qwen 3.5 9B MLX 4bitで56.9 tok/sという圧倒的な速度を叩き出しました。

Qwen 3.5 9B — MLX 4bit(最速+高品質)

テスト内容生成速度生成トークン数所要時間
日本語 短文回答56.7 tok/s6,154109秒
日本語 長文生成56.3 tok/s8,192146秒
コード 簡単な関数58.3 tok/s61511秒
コード 中程度の関数57.9 tok/s1,08319秒
コード バグ修正56.2 tok/s8,192146秒
翻訳 日→英56.2 tok/s8,192146秒
翻訳 英→日56.3 tok/s8,192146秒
推論 論理パズル58.0 tok/s95917秒
推論 数学57.3 tok/s3,95869秒

全タスクで56〜58 tok/sという安定した速度。ChatGPTのストリーミング表示よりも明らかに速く、体感的にはほぼリアルタイムで文章が生成される感覚です。

Qwen 2.5 7B — MLX 4bit(爆速構成)

テスト内容生成速度生成トークン数所要時間
日本語 短文回答76.1 tok/s561.1秒
コード 簡単な関数74.2 tok/s3364.8秒
コード 中程度の関数73.8 tok/s6188.6秒
翻訳 日→英74.9 tok/s1362.2秒
推論 数学74.5 tok/s2673.9秒

74.6 tok/s。M1 Maxでの7Bモデルは文字通り爆速です。質問してから1〜2秒で回答が完了するレベル。

M1 Max限定 — 大型モデルの世界

M1 Maxの64GBメモリだからこそ動かせるモデルも検証しました。

モデルランタイム量子化平均速度メモリ使用量
Qwen 3 32BOllamaQ4_K_M10.9 tok/s—
Qwen 3 32BMLX4bit15.6 tok/s~19 GB
Qwen 3.5 27BMLX8bit11.4 tok/s~29 GB
Qwen3-Coder-NextOllamaQ4_K_M18.1 tok/s—

Qwen 3 32BがMLXで15.6 tok/sで動作。32Bパラメータのモデルが実用的な速度で動くのはM1 Max(64GB)ならでは。M1 Pro(32GB)ではメモリ不足で動作しません。

また、コーディング特化のQwen3-Coder-NextもOllamaで18.1 tok/s。プログラミング補助用途なら十分実用的です。

量子化比較 — 4bit vs 8bit

4bitと8bitの量子化でどれだけ差が出るのか比較しました。

M1 Pro(32GB)

モデル4bit (tok/s)8bit (tok/s)速度低下
Qwen 2.5 7B (MLX)41.122.5-45%
Qwen 3.5 9B (MLX)29.719.7-34%

M1 Max(64GB)

モデル4bit (tok/s)8bit (tok/s)速度低下
Qwen 2.5 7B (MLX)74.642.4-43%
Qwen 3.5 9B (MLX)56.936.3-36%
Qwen 3.5 27B (MLX)18.711.4-39%

4bit→8bitで速度は34〜45%低下します。前回のGTX 1080Ti記事では58%の低下だったので、Apple Siliconの広帯域メモリの恩恵で8bitでの速度低下が穏やかです。

とはいえ、回答品質の差は体感でほとんどわかりません。4bit量子化がベストです。

GTX 1080Ti vs M1 Pro vs M1 Max — 三つ巴比較

前回記事のGTX 1080Tiの結果と比較してみましょう。Qwen 3.5 9B(4bit量子化)で統一して比較します。

項目GTX 1080TiM1 Pro (32GB)M1 Max (64GB)
生成速度34.4 tok/s29.7 tok/s (MLX)56.9 tok/s (MLX)
ランタイムOllamaMLX-LMMLX-LM
メモリ11GB VRAM32GB ユニファイド64GB ユニファイド
最大モデル9B27B32B
27Bモデル動作不可10.6 tok/s18.7 tok/s
32Bモデル動作不可動作不可15.6 tok/s
消費電力~250W~30W~60W
静音性ファン有りほぼ無音ほぼ無音

興味深い結果です。

  • 9Bモデルの速度: GTX 1080Ti(34.4 tok/s)がM1 Pro(29.7 tok/s)を上回る。CUDAの最適化は強い
  • M1 MaxはGTX 1080Tiの1.65倍: 56.9 tok/sで圧勝
  • 大型モデル: Apple Siliconの独壇場。27B・32Bが動くのはユニファイドメモリのおかげ
  • 省電力: GTX 1080Tiの250Wに対して、M1 Maxは60W程度。電気代が全然違う

「速度だけならGTX 1080Tiでも戦える」けれど、「大型モデル・省電力・静音性」を含めた総合力ではApple Siliconが圧倒的です。

メモリ使用量まとめ

各モデルのメモリ使用量をまとめます。Apple Siliconのユニファイドメモリなので、GPUとCPUで共有される点に注意してください。

M1 Pro(32GB)

  • Qwen 2.5 7B 4bit: ~4.7 GB → 余裕
  • Qwen 3.5 9B 4bit: ~5.5 GB → 余裕
  • Qwen 3.5 9B 8bit: ~9.9 GB → まだ余裕
  • Qwen 3 14B 4bit: ~9.1 GB → 余裕
  • Qwen 3.5 27B 4bit: ~15.9 GB → メモリの約50%使用。他のアプリと並行注意

M1 Max(64GB)

  • Qwen 3.5 9B 4bit: ~5.5 GB → 余裕すぎる
  • Qwen 3.5 27B 4bit: ~15.9 GB → 余裕
  • Qwen 3.5 27B 8bit: ~29 GB → まだ余裕
  • Qwen 3 32B 4bit: ~19 GB → 余裕

M1 Max 64GBなら27B 8bitモデルですら余裕で動きます。64GBのメモリがあると「メモリ不足」をほぼ意識することがありません。

TTFT(最初のトークンまでの時間)

MLXのTTFT(Time To First Token)は全モデルで0.3〜4.6秒と非常に高速です。一方、OllamaはQwen 3/3.5のThinkingモードで見かけ上のTTFTが数十〜数百秒になります。

モデルMLX TTFTOllama TTFT備考
Qwen 2.5 7B0.3秒0.2秒どちらも高速
Qwen 3.5 9B0.4秒67〜507秒*Ollamaは内部推論含む
Qwen 3.5 27B0.7〜2.4秒385〜915秒*Ollamaは内部推論含む

* OllamaのTTFTにはThinking(内部推論)トークンの生成時間が含まれます。ストリーミングでは思考トークンも含めて出力されるため、ユーザーが「回答本文」を目にするまでの体感待ち時間はさらに長くなります。

MLXではThinkingトークンも高速に出力されるため、待ち時間のストレスがほとんどありません。

実用性の評価 — 用途別おすすめ構成

用途おすすめモデルM1 Pro速度M1 Max速度
最速レスポンスQwen 2.5 7B MLX 4bit41 tok/s75 tok/s
バランス型Qwen 3 8B MLX 4bit34 tok/s61 tok/s
最新+ThinkingQwen 3.5 9B MLX 4bit30 tok/s57 tok/s
高品質回答Qwen 3 14B MLX 4bit19 tok/s35 tok/s
最高品質Qwen 3.5 27B MLX 4bit11 tok/s19 tok/s
大型モデルQwen 3 32B MLX 4bit—16 tok/s
コーディング特化Qwen3-Coder-Next—18 tok/s

向いている用途:

  • プログラミングの補助(コード生成、バグ修正)
  • 日本語の文章作成・要約
  • 翻訳(日英・英日)
  • 論理的な質問への回答
  • プライバシーが気になるデータの処理(すべてローカルで完結)
  • 24時間稼働のAIアシスタント(省電力・静音)

苦手な用途:

  • 最新の情報が必要な質問(学習データに依存)
  • 画像生成や音声認識(別途モデルが必要)
  • Qwen 3.5のThinking暴走による長時間応答(翻訳タスクで顕著)

Apple Silicon MacでローカルLLMを始めるなら、中古のM1 Pro MacBook Proがコスパ最強です。M1 Maxは速度2倍の恩恵がありますが、価格差を考えるとM1 Proでも十分実用的。

まとめ

今回のベンチマークで、Apple SiliconはローカルLLMに非常に適したプラットフォームであることがわかりました。

ポイントをまとめると:

  • MLX-LMがOllamaの1.5〜2.3倍速い — Apple SiliconならMLX一択
  • M1 MaxはM1 Proの約1.8倍速い — メモリ帯域の差がそのまま性能差に
  • M1 Max + Qwen 3.5 9B MLX 4bitで56.9 tok/s — GTX 1080Tiの1.65倍、ChatGPTより速い
  • ユニファイドメモリの恩恵で大型モデルが動く — 27B/32Bモデルも実用的
  • 4bit量子化がベスト — 8bitとの品質差は体感できないが速度は34〜45%低下
  • 省電力・静音 — GTX 1080Tiの250Wに対して30〜60W

「MacでローカルLLMって遅いんじゃない?」と思っている方、MLX-LMを使えばGPUマシンに匹敵する速度が出ます。特にM1 Maxは驚異的な性能です。

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